1997年度(コメントは講演者に書いていただいています)
◎ 2月6日(金) Eric Liverance(早稲田大学)
「The rank of elliptic curves of arbitrary j-invariant」
Using Shioda's theory of Mordell-Weil lattices, for
each j-invariant we construct a rank 3 elliptic
surface over ${\bf Q}(i)$ with constant j-invariant.
The surface has rank 2 over ${\bf Q}$. We also
explicitly construct the generators. Thus we obtain
infinitely many elliptic curves over ${\bf Q}$ with
fixed j-invariant and rank at least 2, obtaining a
result of Mestre.
◎ 1月30日(金) 山形 周二(東京電機大学)
「Witt環上の形式群によるガロア表現」
Witt環$W({\Bbb F}_{p^n})$上の形式群の$p$巾等分点による
ガロア表現を考える。 この表現の像の特徴付けに関する
Fontaineの予想についてのNakamura, Benois, Vostokovに
よる部分的解決の紹介。
◎ 1月23日(金) 小松 啓一 (早稲田大学)
「Construction of a unit group generated by special
values of Siegel modular functions」
◎ 1月16日(金) 尾崎 学(早稲田大学)
「虚二次体の岩澤不変量について」
$k$を虚二次体、$p$を$k$で分解していて$k$の類数を割ら
ない素数とする。このとき、$k$の有限個の例外を除いた
すべての${\bf Z}_p$-拡大$K/k$に対して$\lambda(K/k)=1$,
$\mu(K/k)=0$となることを示す。また、この現象の背景に
ある一般化されたGreenberg予想との関係についても触れる。
(この間冬休み)
◎12月12日 談話会(場所、時間はいつもの通り)
RUNGE, Bernhard (Mannheim 大学)
「アーベル曲面の自己準同型とモジュライ空間」
◎12月 5日 木田 雅成(電通大)
「実二次体上あらゆる素点でgood reductionをもつ楕円曲線の計算」
実二次体上あらゆる素点でgood reductionをもつ楕円曲線を
計算するsystematicな方法を与える。
(東北大の研究集会で話したのと同じ話です。)
◎11月28日 中里 肇(東京工業高等専門学校)
「志村曲線のHeegner pointについて」
◎11月21日 仙台での研究集会のためお休み
◎11月14日 お休み
◎11月 7日 伊藤 剛司(早稲田大)
「modular関数による正規底の構成」
'modular unit'を用いて虚二次体のray class fieldのp-整数
環の正規底を構成する。また、これを用いて虚二次体の「Z_p
拡大の正規底」について考察する。
◎10月31日 お休み
◎10月24日 村林 直樹(山 形 大)
(N.Murabayashi, YAMAGATA Univ.)
「有理数体上 GL2-type となる QM 型アーベル曲面について」
QM 型アーベル曲面で, 有理数体上 GL2-type となるモデ
ルを持つものを決定した。
◎10月17日 G. Frei
「History of Artin's reciprocity law」
◎10月10日 お休み
◎10月 3日 お休み
◎ 9月26日 お休み
◎ 9月19日(金) 相羽 明(茨城大理)
「代数関数体の正規整数底について」
代数体での正規整数底に関するある定理の
類似が、有限体上一変数代数関数体において
どのようになっているか考察する。
(この間夏休み)
◎ 7月4日(金) 足立 恒雄(早大理工)
「類体論の証明」
◎ 6月27日(金) 坂田 裕(早稲田高等学院)
「Some Liftings of Jacobi Forms」
整数ウエイトを持つJacobi FormsからJacobi Form
及びModular Formへの持ち上げの具体的な構成と、
それに関連する話題を話す。
◎ 6月20日(金) 橋本喜一朗(早稲田大)
(K. Hashimoto, WASEDA Univ.)
「Q-curves of degree 5 and jacobian surfaces of
GL2 type」
We construct a family E^{(\pm)}(p,q) of Q-curves of
degree 5 over all possible quadratic fields, and that
of genus 2 curves over Q covering E^{(\pm)}(p,q)
whose jacobians are abelian surface of GL2 type.
We also discuss their modularity and the sign change
between E(+)(p,q) and its twist E(-)(p,q), which
correspond by modularity to cusp forms of trivial and
non-trivial Neben type character.
Finally we give some concrete examples of
C(p,q) whose jacobians are isogenous over cyclic
quartic fields to Shimura's abelian surfaces Af
attached to cusp forms of Neben type character of
level N=29,229,349,461,509.
◎ 6月13日(金) Joan-C.Lario
(Universitat Polit\`ecnica de Catalunya)
「On the 3-torsion of Q-elliptic curves」
By considering the Weil restriction
of scalars, the 3-torsion Galois module
of quadratic Q-curves provide
projective representations of octahedral type.
We also discuss some joint results with Anna Rio
on the inverse problem.
◎ 6月6日(金)加川 貴章(早稲田大学)
「Elliptic curves with everywhere good reduction
over real quadratic fields」
タイトルに挙げた楕円曲線については, 最近電通大の木田
雅成氏, 講演者, 及び両者の共同研究により色々なことが
わかってきた(cf. 学会のアブストラクト等).
今回の話では, 諸事情(時間の関係等)により話せなかった
ことをいくつか話すつもりである. 詳細は、Q(sqrt{29})
の場合の決定, その副産物としての、過去の証明の簡略化
など.
◎ 5月23日(金)福田 隆(日本大学)
「Greenberg 予想に関する山本 現 氏の仕事の拡張の試み」
山本 現 氏が最近与えた、ある種の(p,p)-拡大の岩澤λ_p不
変量が零になるための充分条件を、考える体を(p,p)-拡大の
部分体に制限することにより、少し弱い形にできることを示す。
◎ 5月16日(金)日比野 剛士(早稲田大学)
「Families of Q-curves defined over number fields」
(Takeshi HIBINO, Waseda Univ.)
2次体上定義される Q-curve については多くの例が
知られている。しかし、それより大きな拡大次数を
持つ代数体上定義される Q-curve の例はあまり知ら
れていない。今回、 Q の4次及び8次の拡大体上
定義される Q-curve の family を得たので報告する。
さらに、その Q-curve の中で、modular である family
を構成できたので併せて報告する。
◎ 5月9日(金) 梅垣 敦紀(早稲田大学)
「Computing elliptic curves over number fields」
(Atsuki UMEGAKI, Waseda Univ.)
有理数体上で楕円曲線を計算するfree-wareは
いろいろと知られている。
2次体上の楕円曲線についてもfree-wareが
存在するが、bugがいくつか報告されている。
これらを用いずに、4次体上のQ-curveの具体例の
計算を前提において、数体上の楕円曲線のglobal
minimal model やonductorを実際に計算することを試みる。
◎5月2日(金) お休み
◎4月18日(金)山本 現(早稲田大学)
「On the vanishing of Iwasawa invariants of certain
(p,p)-extensions of $\Bbb Q$」
p を奇素数とする。ある Q の (p,p) 拡大体 K の円分
的 Z_p 拡大に関する岩沢不変量 \lambda および \mu が
共に 0 となる条件を与え、またそのような K が無限個
存在することを示す。
◎4月11日(金)山村 健(防衛大学校)
「導手の小さい虚2次体の最大不分岐拡大」
すでに、このタイトルで、一昨年の暮れに数理研で話しをして
いるが、その際は、類数2の虚2次体の最大不分岐拡大の決定と、
類数関係式を用いた類数計算、非可解不分岐 Galois 拡大を持
つ最初の虚2次体等について、述べた。
今回は、その後、導手<1000のほとんどの虚2次体の最大不
分岐拡大のGalois 群の構造を決定したので、そのまとめをまず述べる。
それから、Galois 群の類群への作用を考えることにより得ら
れる情報をもとに類体塔がどのように伸びているかについてのべる。
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集中講義
講 師: 藤原 一宏(名古屋大)
(Kazuhiro FUJIWARA, Nagoya Univ.)
集中講義: 「幾何的整数論」(大学院)
日 時: 4月21日(月)- 4月24日(木)
15:00-16:30
場 所: 21,22,23日 は 51号館17-08
24日 は 51号館17-06
講義目的:代数体上の楕円曲線・アーベル多様体およびそのモ
ジュライとしてのモジュラー多様体の数論に関して
得られた最新の結果を紹介する.
談話会:
藤原 一宏(名古屋大)
(Kazuhiro FUJIWARA, Nagoya Univ.)
「Iwasawa Theory for Modular Varieties」
日 時: 4月25日(金)15:30-17:00
場 所: 55-S号館4階06教室
◎ 5月30日(金) 15:30~
場所:早稲田大学 理工学部 55-S号館4階06教室
Joan-C.Lario
(Universitat Polit\`ecnica de Catalunya)
「Galois embedding problems and Q-curves」
We apply Galois embedding techniques to solve
the following problem: Given a Q-elliptic curve,
find a minimal abelian variety of GL2 type which
contains it. Explicit results and examples will be
given for the quadratic case.
◎ 7月11日(金)15:30~17:00
場所:早稲田大学 理工学部 55-S号館4階06教室
太田 和夫(NTT研究所)
「暗号と素因数分解」
公開鍵暗号が発明されて以降、素因数分解や離散対数が本当
に難しい問題なのか、数学の理論的な興味からのみならず、公
開鍵暗号の安全性の限界を知る上からも、関心が高まっている。
ここでは、主に素因数分解の概要を紹介したい。