2005 年度の内容 (コメントは講演者に書いて頂いております.)
講演者: | Marc-Hubert Nicole ( JSPS / University of Tokyo ) |
タイトル: | A Geometric Interpretation of Eichler's Basis Problem for Hilbert Modular Forms |
アブストラクト: | Let $E_i, i=1,...,n$ be all the supersingular elliptic curves over $\overline{F_p}$ up to isomorphism. The modules of isogenies $Hom(E_i,E_j)$, equipped with the degree map, are quadratic modules over $\Z$ that give rise to theta series of level $p$. The space of modular forms of weight two for $\Gamma_0(p)$ is spanned by theta series arising from supersingular elliptic curves in this fashion. We generalize this classical result to Hilbert modular forms by showing that for totally real fields $L$ of narrow class number one, the space of Hilbert modular newforms of parallel weight $2$ for $\Gamma_0(p)$, $p$ unramified, is spanned by theta series coming from quadratic modules $\Hom_{\calO_L}(A_i,A_j)$, where $A_i,A_j$ range across all superspecial abelian varieties with real multiplication by $\calO_L$. We also discuss the more delicate case when $p$ is totally ramified in $\calO_L$. |
講演者: | 松中 恭子 ( 早稲田大学 ) |
タイトル: | ある実4次巡回拡大の円分$Z_2$拡大の岩澤不変量について |
アブストラクト: |
$p$を$p \equiv 1 \bmod 4$なる素数とする。このとき2つの整数$a,b$によって$p=a^2+b^2$と書ける。$\omega=\sqrt{p+a\sqrt{p}}$とおき、$K=Q(\omega)$とする。 $(1)p \equiv 5 \bmod 8$ $(2)p \equiv 1 \bmod 16 2^{\frac{p-1}{4}}\equiv -1, p \equiv 9 \bmod 16 2^{\frac{p-1}{4}}\equiv 1$ を満たすとき$K$の円分Z_2$拡大の岩澤$\lambda-,\mu-$不変量が$0$になることを証明する。 |
講演者: | 児島 道隆 ( 早稲田大学 ) |
タイトル: | Integral Points and Rank of Elliptic Curve |
アブストラクト: |
Kを代数体、f(x,y)をKの整数を係数とする3次同次式で、判別式が0でないものとし、各整数bに対し、方程式f(x,y)=bの整数解の個数をN_f(b)とおく。また、同じ方程式で定義された曲線をC_bとおく。N_f(b)>=1の下でC_bはK上定義された楕円曲線の構造を持つ。このとき、次の問題を考える。 「Kのみに依存する定数κ>0が存在して、H(b)が十分大きい、すべての3乗フリーな整数bに対して、N_f(b)<κ^(rank C_b+1)が成り立つ。」 この問題はKが有理数体のとき、J.H.Silvermanによって解決されている。本講演では、虚2次体Kに対するこの問題の解答を与える。 |
講演者: | 望月 哲史 ( 東京大学 ) |
タイトル: | Weil相互律の一般化と応用 |
アブストラクト: |
K/kを一変数関数体とする時、$f,g \in K$ に対して、$\oveeset{\prod}{v:\text{place of $K/k$}} N_{k(v)/k}(f,g)_v=1$ というのが、古典的Weil相互律であった。その後 この公式はMilnor $K$-群を用いてSuslin氏や加藤和也氏によって一般化されている。 本講演では、位相幾何学の世界で古くから知られているGysin写像の数論幾何的な類似物の基本性質を用いてこの公式を更に一般化する。この一般化された公式は、最近の寺嶋氏と森下氏のpolysymbolの相互律や染川氏の半アーベル多様体に付随するMilnor K理論等とも深い関係を持っており、時間が許せばそのような関係についても言及したい。 |
講演者: | 長谷川 泰子 ( 慶應大学 ) |
タイトル: | |
アブストラクト: | 一変数実解析的 Eisenstein 級数の極や2次の実解析的 Siegel-Eisenstein 級数の Fourier 展開を明示的に述べる.そして,函数等式,極,および各点での Laurant 展開の第一項を示す.また,半整数重さでの一変数実解析的 Cohen 型 Eisenstein 級数 (伊吹山,齋藤) との関係について述べる. |
講演者: | 藤井 俊 ( 早稲田大学 ) |
タイトル: | p 分岐岩澤加群の torsion について |
アブストラクト: |
次のような問題を考えます: 「基礎体が総実でなければ、最大多重 Z_p 拡大上の p 分岐岩澤加群は岩澤代数上 torsion free ではないか?」 多重 Z_p 拡大は 1970 年代に R. Greenberg 氏によって研究されており、1978 年の論文の中で上記の問題に当てはまらない例を発見できなかった、と書かれている。常に成り立つかどうかは今のところよくわからないが、岩澤理論における面白い現象の一つであると思われる。 本講演では、ある種の実巡回体の Greenberg 予想が成立すれば、多くの虚二次体に対して問題が正しいことをお話いたします。また、p=2 の場合に一般 Greenberg 予想への応用をお話いたします。( 但し、一般 Greenberg 予想に関する結果は既に立命館大学の伊藤剛司氏により別の手法を用いて得られていました ) |
講演者: | 平之内 俊郎 (九州大学) |
タイトル: | Finiteness of abelian fundamental groups with restricted ramification |
アブストラクト: |
正規スキームに対してエタール基本群の或る商にあたる数論的基本群を導入する. エタール基本群が不分岐被覆を統制する群であるのと同様に, この基本群は与えられた因子上で, 暴分岐を含むより複雑な分岐を許した被覆を統制している. 本講演では Abel 化した基本群の有限性に関して 1. 代数体の整数環上の数論的スキーム, 2. 有限体上の多様体, 3. 局所体上の多様体, の場合に分かっている事と分かっていない事を紹介する. |
講演者: | 大井 周 (早稲田大学) |
タイトル: | 深さ 2 の多重対数関数の調和積と 2 変数 KZ 方程式の接続問題 |
アブストラクト: |
2 変数多重対数関数の満たす KZ 方程式の可積分性,反復積分解とその接続公式について考察する.特に深さが 2 の 2 変数多重対数関数Li_{k_1,k_2}(z_1,z_2) について対応する KZ 方程式の解の反復積分表示を具体的に与え,(z_1,z_2)=(1,0),(0,1) における解の接続問題が調和積 Li_{k_1}(z_1) Li_{k_2}(z_2) = Li_{k_1,k_2}(z_1,z_2) + Li_{k_1+k_2}(z_1 z_2) + Li_{k_2,k_1}(z_2,z_1) 及び 1 変数の Euler 型反転公式と同値であることを示す.これは Deligne-寺杣の示した associator の幾何学による多重ゼータ値の複シャッフル関係式に関する一般論の微分方程式の立場からの解析的な解釈を与えている. |
講演者: | Christopher Deninger (Muenster univ.) |
タイトル: | Number theory and foliations |
アブストラクト: | In this lecture we want to explain analogues between certain notions in number theory and corresponding notions in the theory of foliated dynamical systems. In particular we discuss dynamical analogues of the product formula, of the explicit formulas of analytic number theory and of Lichtenbaum's conjectures on vanishing orders and leading coefficients at s=0 of zeta functions of arithmetic schemes. |
講演者: | 水澤 靖 (上智大学) |
タイトル: | On non-metacyclic metabelian 2-class field towers over the cyclotomic Z_2-extensions of imaginary quadratic fields |
アブストラクト: | 代数体 k の 2-類体塔は、その最大不分岐 pro-2 拡大のGalois群 Gal(L~(k)/k) の交換子群列に対応する中間体の列として定義され、様々な pro-2 群がそのGalois群として現れることが知られています.虚2次体 k の円分 Z_2 拡大体 K に対して、その最大不分岐 pro-2 拡大のGalois群 G~=Gal(L~(K)/K) を考察し、関連する課題をふまえながら、G~ が non-metacyclic metabelian pro-2 群となる k の無限族が得られたことについて報告します. |
講演者: | 岡野 恵司 (早稲田大学) |
タイトル: | ある代数体上の non-abelian p-類体塔について |
アブストラクト: | 代数体上の p-類体塔の Galois 群の構造について, abel 群となるか否かについてお話します. 虚二次体で p=2 の場合には, 水澤氏--尾崎氏による中心類体を用いた手法がある. 今回はその手法を紹介し, 奇素数の場合に適用したときに, 障害となるもの, その中で得られた結果について話す予定です. |
講演者: | 伊藤 剛司 (立命館大学) |
タイトル: | 虚アーベル体のイデアル類群に関する或る問題について |
アブストラクト: |
$k$ を虚 2 次体とする。$k$ の類数がちょうど奇素数 $p$ であり、かつ $p$ が $k$ において分解している場合には、$p$ を割る $k$ の素イデアルは単項イデアルにはならない、ということはすでに知られている。 今回は、この結果の類似がどこまで成り立つか?という点に関していくつかの問題(類数が $2p$ の虚 2 次体、4 次虚アーベル体の場合など)を取り上げ、それらについて得られたことを述べる予定である。(ただし、お話する結果のうちのいくつかはすでに知られているものかも知れません。) |
講演者: | 青木 美穂 (東京工業大学) |
タイトル: | 円分体の整数環の偶数次 K 群について |
アブストラクト: |
F を有理数体 Q 上の有限次アーベル拡大体, p を奇素数, i を 2 以上の整数とする. 講演では始めに 2 次のエタールコホモロジー群H^2(Spec(O_F[1/p],Z_p(i)) の位数について考察する. このコホモロジー群は F にいくつかの条件を仮定すると岩澤加群の商で書き表すことが出来る. 簡単の為, F を Q に 1 の p^{m+1} 乗根を添加した体とする. このコホモロジー群を Teichmuller 指標の冪 ω^j で直和分解すると i, j の偶奇が一致する場合の ω^j パートは岩澤主予想の系により Dedekind ゼータ関数の負の整数における分子の値の p パートと一致する.よって興味深いのは, それ以外の i, j の偶奇が一致しない場合である. 講演では, 上記のコホモロジー群のω^j パートの位数の表示式を円単数 (i, j の偶奇が一致する場合), ガウス和 (i, j の偶奇が一致しない場合) 等を用いて与える. (i, j の偶奇が一致する場合の円単数による表示は知られていたと思われる.) また, 偶数次 K 群と 2 次のエタールコホモロジーの p-adic Chern map による同型 (Quillen-Lichtenbaum 予想) の仮定の下, イデアル類群 K_0(O_F){tors} の p-adic class number formula の高次元版と思える偶数次 K 群の位数を与える表示式が得られることについて触れる. |
講演者: | Robert Erdahl (Queen's Univ., Canada) |
タイトル: | Structure Theorem for Voronoi Polytopes for Lattices |
アブストラクト: |
It is natural to ask whether the Voronoi polytope for a lattice can be written as the Minkowski sum of simpler Voronoi polytopes. It turns out that this is possible if and only if the corresponding Delaunay tilings for the two simpler Voronoi polytopes are commen-surate. The Minkowski sum of two polytopes is a familiar notion in convexity theory, but the notion of commensurate Delaunay tiling is new and will be explained in the course of the talk. This Structure Theorem is the main result that will be reported, and generalizes an earlier result of S. S. Ryshkov. This Structure Theorem allows an arbitrary Voronoi polytope to be written as a Minkowski sum of simpler irreducible Voronoi polytopes, which are the building blocks and correspond through duality to "edge forms" in Voronoi's theory of lattice types. I will report what is known about the numbers of types of building blocks, or edge forms, and how these numbers of types grow with dimension. The problem of describing these elementary building blocks, and characterizing when they can combine through Minkowski sums to form more complicated Voronoi polytopes is an interesting new problem in geometry of numbers. |
講演者: | 長沼 健 (東京大学 数理科学研究科) |
タイトル: | 楕円曲線のp-Selmer群とTate-Shafarevich群のp-part |
アブストラクト: |
代数体上の楕円曲線のMordell-Weil群の大きさを計算する時に、その計算の障害となるTate-Shafarevich群の大きさを決定することは、この分野の重要な課題であるが、これについては次のようなことが予想されている。 「各素数pと、代数体Kに対してK上の楕円曲線で、Tate-Shafarevich群のp-partが、いくらでも大きい物が存在する。」 p=2,3,5,7,13の時は、これは正しいことがそれぞれ証明されている。この問題の難しいところは、2箇所ありひとつは、大きいSelmer群の構成と、もうひとつは、そこからどのようにして、Tate-Shafarevich群を取り出すかである。本講演では、これらの問題についてなるべく初歩的な事から話したいと思います。 具体的には次のような問題を考えます。 「素数 p と代数体 K に対して、modular curve X_0(p)のK-有理点が無限個あるときにその代数体K上の楕円曲線の族で、p-Selmer群が、いくらでも大きくなるものが存在する。」 「更にこの状況で、代数体Kが総実で、楕円曲線がmodularの時に、その楕円曲線の族のTate-Shafarevich群のp-partがいくらでも大きくなる。」 |
講演者: | Anton Deitmar (Tuebingen Univ., Germany) |
タイトル: | A conjectural Lefschetz formula for arithmetic groups |
アブストラクト: |
The Arthur/Selberg trace formula is not well suited for geometric applications as the contributions of different rank subgroups are mixed up in the geometric side of the formula. Remedy is given in the compact case by the dynamical Lefschetz formula. In the non-compact case there is a conjectural analogue in which the spectral contributions are discretised. In the talk I shall present the compact case with geometric and arithmetic applications, such as the prime geodesic theorem and asymptotics of class numbers, and report on the state of the art in the non-compact case. |
講演者: | 立谷 洋平 ( 慶應義塾大学理工学研究科 ) |
タイトル: | 多変数Mahler関数の代数点における値の超越性 |
アブストラクト: |
超越数論における重要な課題の一つとして、超越関数の代数点における値の数論的性質の研究が挙げられる。特に関数方程式の解に関するMahlerの理論は、Fredholm級数$\sum_{n=0}^{\infty}z^{r^n}$ ($r\geq2$は整数)やMorse-Thue級数$\prod_{n=0}^{\infty}(1-z^{2^n})$をはじめとする多くの超越関数の値の超越性を導く。関数方程式を生かしたMahlerの理論は定性的な定理において特殊値が代数的になる関数の例外を完全に決定できる点で強力である。 本講演ではMahlerの方法から導かれる超越数の実例を紹介すると共に、最近 Duverney-西岡によって導入された新たな超越性の証明法の概略を説明する。更に彼らの方法を応用することによって得られる無限積を中心とした数の超越性についても紹介する。 |
講演者: | 陸名 雄一 ( 早稲田大学 ) |
タイトル: | 有限群の既約表現の構成法について (入門) |
アブストラクト: |
有限群の表現論の主要な問題として, (1) 有限群 G の共役類を決定すること (2) 体 k について, G の (全ての) k-既約指標を決定すること (3) G の (全ての) k-既約線型表現を具体的に構成すること が挙げられる. (1,2) が比較的容易に行い得る場合でも, (3) は一般的には非常に難しい問題である. また, k が代数的閉体でない場合には, 群環 k[G] の構造の複雑さによって, (3) は更に困難になる. しかし, これらの問題を有限次代数体 (特に有理数体) の場合に具体的に解決する技能は, 整数論研究の実際に於てしばしば要求されるものである. 当講演では, 近年著しい代数計算ソフトウェアの発展を鑑み, (3) について具体的な考察を行って上記への一助としたい. |
講演者: | 小松 亨 ( 九州大学 ) |
タイトル: | On Artin symbols of a cyclic polynomial |
アブストラクト: | 生成的多項式の数論的応用として数表を作成する際の計算法や数表上の表示法について述べる. 具体例として生成的3次巡回多項式 $X^3-3sX^2-(3s+3)X-1$ を挙げ解説する. |
講演者: | 小嶋 久祉 ( 埼玉大学 ) |
タイトル: | Maass spaces of Siegel modular forms of degree 2n and the image of Ikeda lifting |
アブストラクト: | 我々は重さ 2k の elliptic cusp forms から次数が 2n (4|n,4|n-1) で重さが k+n の Siegel cusp forms への池田 lifts によって生成される次数が 2n で重さが k+n の Siegel cusp forms の部分空間は Fourier 係数の間の簡単な線形関係式として特徴付けられることを証明する. |
講演者: | 小松 啓一 ( 早稲田大学 ) |
タイトル: | CM型 Abelian Surface の Mordell Weil rank について |
アブストラクト: |
講演者: | 市村 文男 ( 茨城大学 ) |
タイトル: | Stickelberger ideals and normal bases of rings of integers (with H. Sumida) |
アブストラクト: |
$p$ を固定された素数とし, 代数体 $F$ が条件 $(A_p')$ を満たすとは, $F$ 上のすべての $p$ 次巡回拡大が $p$ 整数環に関して正規整数底を持つことを言います. 有理数体 $Q$ は任意の $p$ でこの条件をみたすことが知られています. セミナーでは, McCulloh の仕事を踏まえ条件 $(A_p')$ を拡大 $K=F(\zeta_p)/F$ のガロア群に付随する"Stickelberger ideal"と $K$ のイデアル類群のことばで捉え, その上で (1) その Stickelberger ideal の性質を述べ, 応用として (2) ある範囲の $p$ について $p$ 分体の部分体が条件 $(A_p')$ を満たすか否かについて述べ, さらに (3) 一般的に成り立ちそうなことを予想の形で述べます. 以上の話は隅田浩樹氏 (広大) との共同研究です. |
講演者: | 三宅 克哉( 早稲田大学 ) |
タイトル: | 代数学史談 |
アブストラクト: | 代数学についての数学史上の要点のいくつかを紹介する.特に,代数学の基本定理に対する Gauss の第2証明について,これを「有理整数環上有限生成の数学」への扉を開いたものとして注目する. |
講演者: | Jerome William Hoffman (Louisiana State Univ.) |
タイトル: | Topology of Siegel modular varieties |
アブストラクト: |
This is a survey of topological properties of the algebraic varieties that are quotients of the Siegel space of degree g. We first review the case g=1, which is the case of modular curves. Then we focus on the case g=2, which are three dimensional varieties. There are still some open questions in this case. We will discuss these aspects: a. Determination of Betti numbers. b. Relation to automorphic forms. c. Zeta functions. Time permitting we will also go into detail in some examples. |
講演者: | 相羽 明 ( 茨城大 ) |
タイトル: | Artin-Schreier拡大とGalois加群構造 |
アブストラクト: | 標数p>0の有限体上のべき級数体のp次及びp^2次巡回拡大の整数環のガロア加群構造について話します. |
講演者: | 橋本 喜一朗 (早稲田大学 理工学部) |
タイトル: | 超楕円曲線と$2$-進ガロア表現について |
アブストラクト: | 標数が $0$ の体 k のモニックな $n$ 次分離的多項式 $f(X) \in k[X]$ に対して $y^2 = f(x)$ を定義方程式とする $k$ 上の超楕円曲線 $X_f$ を対応させる. この対応を通して $f(X)$ のガロア群を眺めること, または逆に$f(X)$ のガロア群の情報が $X_f$ にどの程度反映されるかについて 2,3 の簡単な考察と問題提起を行う. |
講演者: | 綱 友之 ( 早稲田大学 理工学研究科 ) |
タイトル: | 種数2の超楕円曲線のヤコビアンの群構造について |
アブストラクト: |
有限体K上の楕円曲線EのK有理点群E(K)について(#E(K)の素因数分解が得られているという仮定の元で)Weil pairingを用いてE(K)の群構造を決定するアルゴリズムが Miller によって与えられている. 本講演では,有限体K上定義されたY^2=(Xの5次式)型の超楕円曲線のJacobi多様体 J で ・#J(K)の素因数分解が得られている ・J(K)が二つの巡回群の積と同型である の両方を満たしているものに対して Miller のアルゴリズムを拡張した結果について報告する. |
講演者: | 藤井 俊 ( 早稲田大学 理工学部 ) |
タイトル: | Some non-abelian extensions over Z_p-extensions and p-class field towers |
アブストラクト: | Z_p拡大の理論の一つの側面として、Z_p拡大上での数論的対象の構造の考察、およびその対象への Z_pの作用が著しい結果を生み出しているということがある。この度のセミナーでは、Z_p拡大上の非可換ガロア拡大のガロア群への Z_pの作用を見る、ということについて、私がこれまで行ってきた研究について話したいと思う。 |