早稲田大学整数論セミナー
2015 年 1 月 10 日 更新

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2012 年度

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2012 年度の内容 (コメントは講演者に書いて頂いております.)

第28回 2013 年 1 月 25 日 (金)

講演者

山形 周二 (東京電機大学)

タイトル

局所数体の絶対ガロア群による特徴づけについて

アブストラクト

p 進数体 Qp の 有限次拡大体 K, L に対して, その絶対ガロア群が位相群として同形でも KLQp-同形とは限らない.
絶対ガロア群の同形がさらに分岐による フィルター付けを保つならば KLQp-同形と なることが望月氏により証明されている.
これらの知られている結果を紹介する.

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 アブストラクト

第27回 2013 年 1 月 18 日 (金)

講演者

兵藤 史武 (早稲田大学)

タイトル

群のゼータ関数と同型類について

アブストラクト

G のゼータ関数とは自然数 n に対して G の指数 n の部分群の個数を対応させる ことで得られる数列の母関数のことである.
本講演ではねじれの無い有限生成ベキ零群で群のゼータ関数 が群の同型類を決めるかという問題に関して考察する.
この問題に関しては一般には正しくないことが知られているが, 逆にどんな群のクラスを与えれば同型類が決定されるだろうか?
このことについて講演させていただこうと思う.
時間があれば群のゼータ関数の基本的な計算方法, 有限指数部分群の数え上げのやり方に関してもお話ししたい と思う.

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 アブストラクト

第26回 2013 年 1 月 11 日 (金)

講演者

伊吹山 知義 (大阪大学)

タイトル

保型形式上の微分作用素とその応用

アブストラクト

保型形式に作用する,領域の制限について 保型性を保つ微分作用素の理論を述べ, それがなぜ面白いのか,またどのようなことに 応用できるのか,という話を,最近の新しい結果 などを絡めて,技術的な細部に立ち入らない範囲で, なるべく具体的に解説したい.

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 アブストラクト

第25回 2012 年 12 月 21 日 (金)

講演者1

田部井 悠 (早稲田大学)

タイトル1

超楕円曲線のヤコビアンと虚 2 次体のイデアル類群の関係

アブストラクト1

代数体のイデアル類群の逆問題についての研究です.
任意に有限アーベル群を与えたときに,それをイデアル類群 の部分群として含む虚 2 次体は存在するかという 問題を,超楕円曲線のヤコビアンと関係付けて調べました.

講演者2

柳内 武志 (早稲田大学)

タイトル2

虚数乗法を持つ楕円曲線における複素数倍写像の明示公式

アブストラクト2

虚数乗法を持つ楕円曲線の自己準同型環は,整数倍写像 以外に複素数倍写像を持つ.
整数倍写像に関しては,明示公式を求めるアルゴリズム はよく知られている.
本講演では,類数 1 の虚 2 次体の整数環 に虚数乗法を持つ楕円曲線に関して,複素数倍写像を 明示的に表す公式を与える.
公式を求める手順も提示し,虚数乗法を持つ任意の 楕円曲線への拡張についても考察する.

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 アブストラクト    講演者2の講演ノート 

第24回 2012 年 12 月 14 日 (金)

講演者

Chantal David (Concordia University)

タイトル

Elliptic curves with prescribed groups over finite fields and the Cohen-Lenstra Heuristics

アブストラクト

Let Gm,k := Z/mZ × Z/mkZ be an abelian group of rank 2 and order N = mk2.
When does there exist a finite field Fp and an elliptic curve E/Fp such that E(Fp) [同形] Gm,k?
We show that this happens with probability 0 when k is very small with respect to m, and with probability 1 when k is big enough with respect to m.
The fact that the groups Gm,k are more likely to occur when k is big is reminiscent of the Cohen-Lenstra heuristics which predict that a random abelian group G occurs with probability weighted by #G/#Aut(G).
By counting the average number of times that a given group Gm,k occurs over the finite fields Fp (and not simply if a given group occurs or not), we are able to verify that the probability of occurrence of the groups Gm,k is indeed weighted by the Cohen-Lenstra weights.

This is joint work with V. Chandee, D. Koukoulopoulos and E. Smith.

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 アブストラクト

第23回 2012 年 11 月 30 日 (金)

講演者

小嶋 久祉 (埼玉大学)

タイトル

On the Fourier coefficients of Jacobi forms of index N over totally real number fields

アブストラクト

Skoruppa と Zagier は index m の Jacobi 形式 p の空間から,level m の楕円モジュラ形式 f の空間 への Hecke 作用素と可換になる全単射な対応を与えた.
その後,この対応は Gross,Kohnen および Zagier に より,核関数を用いて定式化された.
更に Gross-Kohnen-Zagier はこの対応を用いて p の Fourier 係数の平方が本質的には f に付随し 2 次剰余 記号で絞ったゼータ関数の中心値と等しいことを示した.
本講演では,index N の総実代数体上定義された Jacobi 形式 P の空間から,レベル N の Hilbert モジュラ形式 F の空間への対応を具体的に構成し, F の Fourier 係数を P の Fourier 係数 を用いて表す.
また P の Fourier 係数の平方を,F に付随し 2 次剰余記号で絞ったゼータ関数の中心値で表示する.

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 アブストラクト    講演ノート 

第22回 2012 年 11 月 23 日 (金)

講演者

高井 勇輝 (慶応義塾大学,東京大学)

タイトル

CM 体の相対類数の非可除性について

アブストラクト

総実代数体 F と素数 p を固定し, その上の総虚二次拡大 K/F で相対類数が p で割れないものがどれくらい存在するか, という問題を考えます.
無限に存在することは,跡公式などを使って 内藤浩忠氏により,素数に関するある仮定の下で, すでに証明されています.
その後,Kohnen-Ono が重さ半整数の保型形式を 使うことで F が有理数体の時に個数の下 からの評価を与えました.
本講演では,F が有理数体上 Galois 拡大 の仮定の下で重さ半整数の Hilbert 保型形式を 使って得られた上記問題に関する最近の進展に ついて紹介いたします.

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 アブストラクト

第21回 2012 年 11 月 16 日 (金)

講演者

河本 史紀 (学習院大学)

タイトル

偶数周期の連分数と末尾急増型主要対称部分

アブストラクト

岸康弘氏(愛知教育大学)と冨田耕史氏(名城大学)との 共同研究です.
{1, ω(d)} を実二次体 Q(√d) の標準的 整数基底とする.
我々の目的は ω(d) の連分数展開の周期を使って 実二次体全体を分類し,各周期ごとに実二次体の類数を調 べることである.
連分数による数値実験の結果から,各周期の最小元が 類数 1 の実二次体を与えることを予想している.
もしこれが正しいならば類数 1 の実二次体の無限族が得 られる.
各周期の最小元を探すために「末尾急増型(主要)対称 部分」という概念の導入を行う.
末尾急増型(主要)対称部分は「pre-ELE型有限列」から 構成されることがわかる.
副産物として,4 以上の各偶数周期において 極小型実二次体の無限族を構成する.

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 アブストラクト    講演ノート 

第20回 2012 年 11 月 9 日 (金)

講演者

藤井 俊 (慶應義塾大学)

タイトル

Greenberg's conjecture for imaginary abelian fields

アブストラクト

p を奇素数とし,kp が 完全分解する虚アーベル体とする.
このとき, [k : Q] = 2m とすると,kZpm+1 拡大 K が 一意に存在する.
K 上の最大不分岐アーベル pro-p 拡大の ガロワ群へは, Zp 係数の m+1 変数形式的べき級数環が作用し, Greenberg によって pseudo-null となることが予想 されている.
k が虚二次体のとき, Minardi 氏によって, 類数が p で割れなければ成立することが知 られており,k が虚 4 次アーベル体 のとき,千葉工業大学の伊藤氏によって,類数が p で割れず,最大総実部分体の岩澤不変量 が全て 0 であれば成立することが示されて いる.
本講演では,伊藤氏の結果よりさらに一つ仮定が必要 となるが,一般次数の虚アーベル体に対して Greenberg の予想が成り立つ十分条件について話を したい.
虚二次体,虚 4 次アーベル体の場合, 本講演の結果は Minardi 氏,伊藤氏の結果に真に 含まれていることをここで述べておきます.

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 アブストラクト

第19回 2012 年 10 月 26 日 (金)

講演者

野村 次郎 (慶應義塾大学)

タイトル

非可換 Brumer 予想と非可換 Brumer-Stark 予想

アブストラクト

K/k を代数体の有限次ガロワ拡大,G を そのガロワ群とする.
G がアーベル群となる場合には,Brumer 予想, Brumer-Stark 予想と呼ばれる L-関数の特殊値 とイデアル類群との関係に関する予想が知られてい たが,近年,Andreas Nickel によって一般の非可換拡大 に対しても同様の予想が定式化された(非可換 Brumer 予想,非可換 Brumer-Stark 予想).
本講演では,Nickel によって定式化された非可換拡大 に対する予想の定式化を行い,これまでに知られている 結果を紹介する.
また,ガロワ群が位数 4p の二面体群又は位数 2 冪の一般四元数群である場合に得られた結果 を紹介する.

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 アブストラクト   講演ノート 

第18回 2012 年 10 月 19 日 (金)

講演者

森澤 貴之 (早稲田大学)

タイトル

Height and Weber's Class Number Problem

アブストラクト

有理数体の円分的 Zp 拡大の全ての中間体の 類数が 1 であるか,という問題を考える.
これを Weber の類数問題と呼ぶ.
Weber の類数問題へのアプローチとして,素数 l に対し, 類数が l で割れないかという問題を考える.
この l-非可除問題に関し,以前の結果からの改善が 得られたので,それに関して講演させていただこうと思う.
これは岡崎龍太郎氏との共同研究である.

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 アブストラクト

第17回 2012 年 10 月 12 日 (金)

講演者

Cristian Virdol (九州大学)

タイトル

Cyclicity for some finite abelian varieties

アブストラクト

Consider A an abelian variety of dimension r, defined over a number field F.
For a finite prime of F, denote by F the residue field at .
If A has good reduction at , let A be the reduction of A at .
In this talk, under GRH, for a large family of abelian varieties A, I will prove an asymptotic formula for the number of primes of F, with NF/Qp < x, for which A(F) has at most 2r -1 cyclic components.

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 アブストラクト

第16回 2012 年 10 月 5 日 (金)

講演者

Fang-Ting Tu (早稲田大学)

タイトル

Genus two lifts of Q-curves which are of GL2-type with √(-2) multiplication

アブストラクト

Our main goal are studying the arithmetic properties of elliptic Q-curves related to Modularity Theorem.
In this talk, we will give a generic family of (-1)-minimal Q-curves of degree 2, families of (+1) and (-1)-minimal Q-curves of degree 2, and family of genus 2 curves defined over Q whose Jacobians are of GL2-type with √(-2) multiplication.
Also, we will give some explicit equations of curves whose Jacobians are associate to certain Shimura abelian surfaces.

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 アブストラクト

第15回 2012 年 7 月 27 日 (金)

講演者

Yifan Yang (台湾国立交通大学)

タイトル

Ramanujan-type formulas for Shimura curves

アブストラクト

One of the most famous discoveries of Ramanujan is a collection of 17 infinite series converging to 1/π.
Nowadays, such formulas are usually proved using theory of modular forms.
In this talk, we will discuss the cases of Shimura curves.
This is a continuation of my talk given in the Waseda number theory seminar one year ago.

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 アブストラクト

第14回 2012 年 7 月 20 日 (金)

講演者

加藤 五郎 (カリフォルニア州立工芸大学)

タイトル

「コホモロジーとヴェイユ予想とそれを囲む人たち & グロタンディエックの蒔いた種と収穫--」

アブストラクト

「グロタンディエックの蒔いた種と収穫」と言いますと, その種は沢山あります.
まずはカルタン&アイレンベルグのコホモロジー代数の 延長,ヴェイユ予想のためのコホモロジー論の形成, トポス, Derived Category,など.
それらの収穫が20世紀の数学に大きな影響を与えたこと はよく知られています.
また,「種と収穫」~「You reap what you sow.」 には 「身から出た錆」の意味もあります.
これら導入された概念と,米国での過去40年間にこれら の「種」とかかわった人々との個人的な思い出と雑談を 交えながらのトークです.

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 アブストラクト

第13回 2012 年 7 月 13 日 (金)

講演者

佐藤 周友 (中央大学)

タイトル

代数的サイクルとコホモロジー

アブストラクト

多様体の Chow 群は代数的サイクルの群を有理同値 で割ることで定義される.
Tate 予想や Beilinson 予想などは,この Chow 群 がどのくらい数論的な情報を持っているかについて 述べたものである.
本講演では Chow 群の定義(有理同値とは何か?) というところから出発し, Chow 群からコホモロジーへの自然な準同型 (サイクル写像)とその写像を調べるいくつかの 手法について紹介したい.
さらにこのアプローチによって得られる Chow 群の 有限性について述べる予定である.

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 アブストラクト

第12回 2012 年 7 月 6 日 (金)

講演者

諏訪 紀幸 (中央大学)

タイトル

Artin-Schreier-Witt 拡大と正規底

アブストラクト

k と有限群 G に対して G を Galois 群にもつ k の Galois 拡大は存在する か,存在するのであれば具体的に構成せよという問題は 逆 Galois 問題とよばれていて,膨大な研究結果が蓄積 されている.
一般の可換環 A に対しても逆 Galois 問題は考 えられるが,G を Galois 群にもつ A の 不分岐 Galois 拡大は存在するか,存在するのであれ ば具体的に構成せよという問題に加えて,正規底の定理 は成立するか,成立するのであれば具体的に構成せよと いう問題が追加できる.
有限群 G の群環の単数群を表現する代数群 を出発点として G を Galois 群にもつ k の Galois 拡大の族を構成するという Serre のアイデアに 基づいてこの問題を考察する.
最初に典型的な例として Kummer 理論について説明する.
次に Artin-Schreier-Witt 拡大を扱うが,重要な道具 立てである Artin-Hasse exponential series の変形 についても説明する.

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 アブストラクト   講演ノート 

第11回 2012 年 6 月 29 日 (金)

講演者

栗原 将人 (慶應義塾大学)

タイトル

岩澤理論の精密化と Selmer 群の構造について

アブストラクト

円分 Zp 拡大上の Selmer 群 の Galois 加群としての様子を通常の岩澤理論より ずっと詳しい形で述べることが目標である.
主に楕円曲線の Selmer 群を中心にして話す予定 である.
Selmer 群を表す行列を p 進高さや Gauss 和 型の Euler 系を使って調べる.
有理数体上の Selmer 群の構造を modular 記号 を使って記述する式についても述べる.

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 アブストラクト

第10回 2012 年 6 月 22 日 (金)

講演者

志村 真帆呂 (東海大学)

タイトル

有限体の有限次拡大体上定義された超楕円曲線の 被覆曲線の分類と超楕円曲線暗号への応用.
(百瀬文之氏,趙晋輝氏との共同研究)

アブストラクト

超楕円曲線暗号は,有限体上の超楕円曲線の離散対数 問題(DLP)の困難さに依る暗号である.
k を有限体, kdkd 次拡大体とする.
kd 上定義された超楕円曲線 C0k 上定義された被覆曲線 C を持つとき, C0 のヤコビ多様体 J(C0) の DLP は J(C) の DLP に帰着できる.
もし,J(C) の DLP が J(C0) の DLP より計算量が小さければこの攻撃(GHS攻撃)は 成功し,C0 を weak curve である という.
本講演では,k 上定義された (2,2,...,2)-被覆曲線 をもつ kd 上定義された weak curve の分類と密度についての結果を述べる (主に標数 2 の場合を扱う).
この結果の一つの応用として, 標数 2, d = 3, C0 が楕円曲線の場合, k が素体上の偶数次拡大ならば weak curve の密度 は約 3/4 となり,奇数次拡大ならば密度が約 1/2 となる ことがわかる.

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 アブストラクト

第9回 2012 年 6 月 15 日 (金)

講演者

Filippo Nuccio (大阪大学)

タイトル

Cyclotomic Units and Greenberg Conjecture

アブストラクト

Starting from Kraft-Schoof, Ozaki, and others we dispose of an isomorphism between the quotient of units modulo cyclotomic units and class groups at sufficiently high layers of the p-cyclotomic extension of an abelian field, assuming Greenberg's conjecture, when p does not split in the base field.
In my talk I would like to discuss some analogue in the split case.

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 アブストラクト

第8回 2012 年 6 月 8 日 (金)

講演者

青木 宏樹 (東京理科大学)

タイトル

ヤコビ形式の インデックス - レベル 変換について(その2)
 (坂田裕氏との共同研究)

アブストラクト

ヤコビ形式のインデックスとレベルは,定義は まったく異なっているもの,その間には強い関係が あるだろうということが,2010年頃,坂田裕氏によって示された.
その後,講演者は,彼の結果を受けて,必ずしも new form とは 限らないヤコビ形式についても,インデックスとレベルとの 間に強い関係があることを,比較的初等的な計算で示した.
この結果については先日の早稲田整数論研究集会で 報告したが,その後さらに少し進展があり,より一般的な 結果が得られたので,それについて報告する.

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 アブストラクト

第7回 2012 年 6 月 1 日 (金)

講演者

山本 修司 (慶応義塾大学)

タイトル

多重ゼータ値と多重ゼータスター値の補間多項式

アブストラクト

多重ゼータ値および多重ゼータスター値を定める 各インデックスに対して,それら二つの値を補間 する多項式を構成し,これらの多項式が満たす 調和関係式,和公式および巡回和公式を与える.
さらに, Ohno-Zudilin の 2-1 予想との関係に ついても述べたい.

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 アブストラクト

第6回 2012 年 5 月 25 日 (金)

講演者

岡本 亮彦 (早稲田大学)

タイトル

Relative Brauer groups of function fields of curves of genus 2

アブストラクト

K 上の非特異射影曲線 C の relative Brauer group Br(K(C)/K) は 曲線 CK-有理点や C の Jacobi 多様体の K-有理点と深い関係 がある.
一般に曲線に対して Br(K(C)/K) を計算 する事は困難であるが,種数 1 の曲線において は,曲線に付随する Azumaya algebra を用いる 方法,Tate pairing を用いる方法など幾つかの 手法によって Br(K(C)/K) の計算例が知 られている.
本講演では,代数体上の種数 2 の曲線における Br(K(C)/K) を曲線の local index を 用いて決定する.
また,与えられた local index を持つ代数体上 の種数 2 の曲線の構成についても述べる.

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 アブストラクト

第5回 2012 年 5 月 18 日 (金)

講演者

橋本 喜一朗 (早稲田大学)

タイトル

素数の無限性と関連する不定方程式の整数解

アブストラクト

"Proofs from THE BOOK", M.Aigner, G.M.Ziegler (Springer) は, P. Erdos が好んで言及した THE BOOK (神 = SF が数学の定理の究極の 証明を保管する記録書. G.H.Hardy の "There is no permanent place for ugly mathematics" を受けている) を想定して書かれた,とても 興味深い書物です.
その第一章は数論の話題が扱われていますが,そこ での最初のテーマは「素数の無限性」で,ユークリッドによる有名な証明を はじめとして 6 個の鮮やかな「証明」が述べられています.
セミナーでは,まず,講演者が見つけたものも含めてさらにいくつかの 「別証明」を紹介します.
次に,上掲書の第 2 証明のアイデア (= フェルマー数がどの二つも互いに素であること) の類似・一般化に 関する問題から派生した, 不定方程式の族 sn +1 = sn-1sk は未知数 x1,..,xnk 次基本対称式) の正整数解について得られた結果を報告します.
この不定方程式は 講演者が 20 年前から取り組んでいましたが,2009 年に大学院生の 本多和久氏によって画期的な進展がもたらされました.
という訳で, 本講演は本多和久氏との共同研究にもとずくものです.
時間があれば,この不定方程式の正整数解の個数の挙動と双子素数 との関連にもふれる予定です.

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 アブストラクト

第4回 2012 年 5 月 11 日 (金)

講演者

小松 啓一 (早稲田大学)

タイトル

Q(√p)Z2-拡大のλ-不変量について (福田隆氏との共同研究)

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 アブストラクト

第3回 2012 年 4 月 27 日 (金)

講演者

坂垣内 誠 (東北大学理学博士)

タイトル

代数体上一変数代数関数体における指標群のハッセの原理について

アブストラクト

類体論と関連して,大域体の絶対ガロア群の指標群からの 局所-大域写像が単射となること(指標群のハッセの原理) が知られています.
正標数の大域体が有限体上一変数代数関数体であることに 着目すると,どんな体上完備で正規な代数曲線に対応する 代数関数体においてハッセの原理が成り立つのか,という 問題を考えることができます.
今回の講演では,代数体上完備で正規な代数曲線の関数体 においても指標群のハッセの原理が成り立つということを 確認したので報告します.
余裕があれば,その応用についても話したいと思います.

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 アブストラクト

第2回 2012 年 4 月 20 日 (金)

講演者

植松 哲也 (東京大学)

タイトル

On the Brauer group of diagonal cubic surfaces

アブストラクト

体上の斜体の分類空間であった Brauer 群は,Grothendieck らによって,スキームに対する不変量として一般化された.

非特異代数多様体の Brauer 群は,ノルム剰余写像を通じて, 関数体の Milnor K-群を用いて表示することができ るが,
一般には,その表示を求めることは困難であり, どのような表示になるかもはっきりしない.

本講演では,対角的 3 次曲面の Brauer 群の構造と その Milnor K-群による表示について,得られ た結果を報告する.
時間があれば, Milnor K-群による表示の応用と して,対角的 3 次曲面の 0 次 Chow 群の計算例について も述べる.

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 アブストラクト

第1回 2012 年 4 月 13 日 (金)

講演者

金城 謙作 (東京大学)

タイトル

Hypergeometric series and arithmetic-geometric mean over 2-adic fields

アブストラクト

奇素数 p に対し,p 進数上の Gauss の超幾何関数が標数 p の有限体上定義された 通常楕円曲線の単数根を特殊値に持つ関数に延長され る事を Dwork は発見した.
本講演では,宮坂宥憲氏(東北大学)との共同研究で 得られた Dwork の結果の 2 進類似を紹介する.
また,2 進算術幾何平均列を用いることで,標数 2 の 有限体上の通常楕円曲線の単数根と標準持ち上げの 関係が与えられることについても解説する.

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 アブストラクト